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トゥレット症候群の外科医

オリヴァー・サックス著の『火星の人類学者』にあるエッセイの一つなのですが
非常に興味深かったのでブログに挙げてみました。

トゥレット症候群ってのは痙攣性チック、他人の言葉や動作の無意識な模倣、
無意識・或いは衝動的な罵言が特徴な1000人に1人いるといわれている
知名度は低いけれど意外に多い、脳がバランスよく働いてない病気。
原因は複雑でよく分からないそうだ。
自分の意志とは関係なく「それ」に突き動かされ、抑制することは出来ない行動、
身構える暇もなく突然襲ってくる怒りやパニック等に当人は悩まされることになります。
いわゆる昔の"悪魔憑き""獣憑き"がコレじゃないかという話。

その奇異と捕らえられる症状のため、患者は引きこもりがちになってしまうのですが
ここで紹介されるトゥレット症候群の人(博士)は
その腕前と患者に優しく接することで評判のいい外科医。
「トゥレット症候群?それがなんだって言うんです。彼はいいやつですよ」
この病気を自分の一部として向き合い、前向きになれるのって己の強さも必要ですが
理解してくれる人、もしくはその病気抜きで付き合ってくれる人がいる
ってのは大きいと思います。
日本じゃなかなかこうはいかないんじゃないかなぁ。
そういう病状があったら執刀なんてさせてくれないと思うし。
執刀どころか、医者であることも難しいかもね。

by yumadoi | 2009-02-06 17:20 | リアル日常 | Comments(0)