2017年 05月 15日 ( 1 )

「療養所の悪魔」後編

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~アーニスト・ジャーミンの場合~

不可思議な悪夢から数ヵ月が過ぎようとしていた。
ユアンの書いた著書は情報屋から耳にし購入していた。
自分の見た夢が別人の視点で書かれている…夢の中の人物が実在しているのだろうか?
小説家ユアンの事を調べようと思った矢先に仕事が入る。

依頼人の名はジェシカ・ハンプトン。
最近グリーンウッド療養所で亡くなった
アンブローズ・モーベンの死について調べてほしい との依頼だ。
アンブローズ・モーベンとはかつて会社の同僚で、世話になった事もあり、
時折家を訪れる間柄であった。
モーベンが過労で神経衰弱を患いグリーンウッド療養所へ入院した事は知っていたが、
モーベンが抜けた穴を埋めなければならないこともあり、
仕事が繁忙を極めジェシカは見舞いに行くことは出来なかった。
そうしているうちにモーベンが心不全で亡くなった事を知る。
ジェシカは療養所へ行き、一目会ってモーベンに別れを告げたい 
と申し出たが、療養所設立者のフレイガン博士にけんもほろろに断られてしまう。
身寄りのないモーベンは既に近くのグリーンウッド墓地に埋葬したと言う。
献花することも出来ず、あまりに早い埋葬に不審を抱いたジェシカは
アーニストのいる探偵事務所を訪れた というわけだ。

アーニストが調べた所、モーベンがこの療養所で、ここ二ヶ月間で
5人目の死亡者だということが分かる。
検視官からこれらの死は全て自然死だったということを聞くが、
設立されてから15年の歴史を持つこの診療所で、
この5件以外には僅か4件の死亡例しかない。
しかも最近立て続けに死んだ患者は5人とも身寄りのない者ばかりで、
5人とも大した財産は持っていないという共通点があった。
ただ地方の警察や州保健局ではグリーンウッド療養所に何も手落ちはなかった
と判断しているようだが…。
そして5人とも療養所近くのグリーンウッド墓地に埋葬されていることが判明。
アーニストは更に詳しい状況を知るためにグリーンウッドの町へと向かう。


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~スコット・ネルソンの場合~

不可思議な悪夢から数ヵ月が過ぎようとしていた。
ユアンの書いた著書は客に薦められ目にしていた。
自分の見た夢が別人の視点で書かれている…不思議に思いながらも
スコットは変わらぬ日常を送り、いつも通り密売を先輩から請け負った。

「贔屓のドン・ヴォーガンさんを覚えているか? 暫く前に精神を病んで療養所に入っていたけれど、もうじき退院出来るほどに回復したらしくてね…。 
元気になると暇だから、こっそり一瓶差し入れしてほしいそうだ。 
頼まれてくれないか? ちょっと離れている場所だからチップははずむそうだぞ。
ヴォーガンさんが入院しているのはグリーンウッド療養所だ。
それから…知っていると思うが、グリーンウッド付近に俺達とは別の
酒の密造者の一団がいたはずだから、目を付けられないよう気を付けろよ。」

スコットは密造酒であるムーンシャインを隠し持ち、
それらしい見舞い品を用意してグリーンウッド診療所へと向かった。

ドン・ヴォーガンは52歳の会計士だ。
妻と娘を事故で同時に亡くした事で気鬱になり、療養所に入ったと聞いた。
面会室に入るとヴォーガンは以前会った時より少々面窶れはしているものの、
大分持ち直した印象を受ける。
スコットが依頼品とカモフラージュ用の見舞い品を渡すと、
随分と色を付けた代金をポケットに捻じ込んでくれた。

「いやぁ遠い所わざわざすまないね。あぁこういうカラフルな花を貰えると
気分も良くなるねぇ。」

ヴォーガンは最初快活に言い、続いて声を潜めて早口でスコットに話しかける。

「あんた内偵とか得意だったよな? ここの事を調べてくれないか? 
この療養所は最近まで評判が良かったんで息子が私の事をここに入れたんだが、
私が入院している間に5人も死人が出ているんだ。
全員心不全や卒中なんからしいが…何かあるんじゃないかと思ってね。
殺人鬼が潜んでいるとか、新薬の人体実験をしているとか。 
もし強請るようなネタが出てきたらボスに報告すりゃあんたも旨い汁が吸えるんじゃないか?
そん時ゃ1本奢ってくれよ。」

ヴォーガンは他愛もない話を少しした後にスコットを送り出した。
チップには内偵代も含まれていたわけだ。
まずは周辺から聞き込みをすべくスコットは一旦療養所を後にした。


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~ユアン・サンダーズの場合~

不可思議な悪夢から数ヵ月が過ぎようとしていた。
夢の中とは言え正気を失うほどのショックを受けたユアンは、
軽度の不眠症に陥っていた。
朧気な記憶が、再び夢を見ることで悍ましい形を成すのでないかと思うと
落ち落ち眠ることもままならないと言った様子ですっかり憔悴しきっていた。
ユアンの新作を祝い、評価しようと訪問してきた作家仲間が、
ユアンの様子を心配し「難しい症例にはこの療養所がいいそうだよ。」と
少し離れた場所にあるグリーンウッド療養所を薦めてきたため、
ユアンは睡眠導入剤でも貰えたら、と診察を受けるために
グリーンウッドの町に向かうバスに乗りこんだ。

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ファンタジーRPGと違って、導入、動機がそれぞれ違います。
最初から知り合いってワケじゃなかったですしね…

気になっていたシナリオ遊び終えました~~。
いざ読んでみると「クトゥルフ神話」技能が必要な箇所がいくつもあって
けっこう経験積んだキャラクターでないと全部は把握出来ない感じでしたね。
なので少々出す情報は甘めに…。
とは言え、マー君に遭った後に神殿向かえばショットガン’sには襲撃されてたろうし
翌日療養所行けば監禁のち殺害 はあったかなー‥。
その辺のリスクを選択肢で切り抜け、
SANチェック失敗時には1D100級の怪物を目撃しても失ったSANが1で済んだり と
キャラが1人欠けることなく心身ともに無事 てのがスゴイですね。

by yumadoi | 2017-05-15 05:31 | テーブルゲーム | Comments(0)